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メルマガ7 AABAとABAB'

2017 9.1

スタンダード曲の構成2-AABAとABAB'

 今回はスタンダード曲の構成でよくある2パターンをご紹介します。スタンダード特有というより、スタンダードと同義のアメリカンポピュラーソングを書いたソングライター達が確立して、その後ロックや日本の歌謡曲なども含むポピュラー音楽全般で使われるようになったとも言えるでしょう。

 前回、ヴァース(Verse)とコーラス(Chorus)について説明しました。ヴァースの長さは曲によってまちまちですが、曲の本体ともいえるコーラス部分は32小節となっている場合が多く、32小節を構成する二つのパターンについて説明します。

 コードや転調など多少難しく感じる言葉もあるかもしれませんが、ジャズをより楽しく聴けるようになるために知っておいた方がいい内容だと思います。ご理解できる部分だけで結構ですので、しばらくおつきあいください。

①A-A-B-A形式  Aの部分は8小節のテーマメロディーで、最初に提示された後もう一度繰り返されることで聴き手には強く印象付けられることになります。次にBというやはり8小節の別のメロディーが現れます。Bの部分は英語ではBridge、日本ではサビと呼ばれます。

 サビでは多くの場合Aの調(key)とは違う調に転調します。転調のためには新しい調性に行くためのコードが必要なので、2回目のAの最後の1~2小節はコードが1回目と変わることが多くなっています。

 効果的な転調によって、聴き手はそれまでと違う音の世界が開ける一種の爽快感を感じます。Softly As In The Morning Sunrise(朝日のように爽やかに)という有名なスタンダードがあります。Aの部分はCマイナーというキーで2小節単位で同じコードが続く、動きの少ないコード感の曲です。

 サビでは平行調であるEbメジャーに転調します。平行調とは調号が同じマイナー(短調)とメジャーキー(長調)同士を指す言葉で、CマイナーもEbメジャーもフラットが3つで同じですからごく自然な転調です。この転調によって曲はメジャーキーの明るさになだれ込み、霧が一気に晴れたような気持ちよさが生まれます。

 Ebメジャーのサビから最後のAのマイナーキーに戻って、そこで1コーラスが終わります。サビという違う世界が挟まれることで曲に変化がつくわけです。アドリブを聴いている時も、「今サビに行って転調したな」という感覚が分かってくると、より楽しめるようになると思います。貼付のpdfファイルにコード進行を載せています。転調については別の項目を立てて解説することになると思います。

 この曲についてはちょっと変わった音源を見つけました。この曲の詞を書いたOscar HammersteinⅡ世の曲を集めたレコードのようで、オーケストラでの録音です。ジャズ的にアレンジしていないので、サビへの曲の変わり目が逆に分かりやすいです。1分6秒あたりでサビが始まっています。

https://www.youtube.com/watch?v=tOCWKstWJUY

②A-B-A-B’(A-B-A-C)  AとBという二つの異なるメロディー(どちらも8小節)から構成される点は①と同じですが、その順番が違います。BとB’は8小節のうちの最初の2小節又は3小節は全く同じで、その後から違うコード、メロディーに進むというパターンが多いですね。pdfでコード進行を示したのは酒とバラの日々(The Days Of Wine And Roses)です。

 音源はローズマリー・クルーニーの歌です。アルコール中毒をテーマにした暗~い映画の中で歌われるオリジナルはもっとゆっくりしたテンポですが、曲としてはこの音源くらいの方が気持ちがいいですね。18秒経ったあたりでBの部分が始まっています。

https://www.youtube.com/watch?v=LuiquFsvDdY

 このタイプの場合、最初のA-Bが前半、次のA-B’が後半ということになります。①と違ってほとんどの場合転調はありません。曲調、コードの変化が分かりやすい転調がないので、アドリブを聴きながらどの部分に進んだかを追うのは、最初は難しいかもしれませんが、小節数を数えながら前半、後半と追っていけるようになるといいですね。

 B’の部分がBのバリエーションではなく、コードもメロディも全く違っている曲もあります。これも有名なAll Of Meというスタンダードがこのパターンで、この場合はA-B-A-Cというべきですね。

曲の構成(PDF)

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